プロジェクト

 わが国の保健医療分野では多職種協働による在宅医療体制の整備が重要な課題となっており、地域包括ケアの中で在宅がん患者の療養支援を行う体制整備を推進する必要性は高い。そこで、本事業では、薬学・看護学の統合教育体制を確立している長崎県内の国公私立3大学(長崎大学・長崎県立大学・長崎国際大学)が、さらに医学・歯学等の教育者を加えた協働教育体制の充実を図り、県内の4自治体・12職能団体・1法人と連携し、一体となって、多職種協働による在宅がん医療・緩和ケアを担う専門人材育成の拠点作りを目指している(平成24~28年度の5ヶ年事業)。

プロジェクト概要
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連携取組で育てたい人材像とは。
 この取組で目指すのは、多職種協働による在宅がん医療・緩和ケアを担う専門職としての主体性と協調性を身につけ、在宅がん医療に貢献できる人材の育成です。

そのような人材を必要とする背景には、どのような課題があるのでしょうか。
 保健医療分野では、当該地域における在宅医療体制の整備は急務であり、在宅がん患者の療養支援を担う人材育成は、地域の大学群が連携地域の現場と一体となり取り組むべき重要なテーマです。

なぜこの3大学で連携することになったのですか。
 3大学の薬学と看護学の学部が連携した「長崎薬学・看護学連合コンソーシアム」の活動が基礎となっています。本取組では、在宅がん患者の療養支援ができる人材を育成するため、さらに医学・歯学等の教育者を加えた協働教育体制の充実を図り、3大学8学部でタッグを組むことにしました。具体的には、医学・歯学・薬学・看護学・リハビリテーション学の教育に強みを持つ長崎大学、看護学・栄養学・情報学の教育に強みを持つ長崎県立大学、そして薬学・栄養学・福祉学の教育に強みを持つ長崎国際大学の3大学が連携し、目指す人材の育成に必要な力を結集します。

取組は5年間実施します。どのような計画を立てていますか。
 平成24年度は、3大学が県内の4自治体・12職能団体と一体となった「在宅医療・福祉コンソーシアム長崎」を設立し、本取組を遂行するための基盤整備を行います。平成25年度からは「地域がん包括ケアの早期体験学習」という実習科目を始め5科目の大学間合同による単位互換科目を開講します。その後は毎年、既に開講した科目のカリキュラムを見直しながら、演習や実習の科目数を増やし、平成28年度には10科目を超える大学間合同による単位互換科目を開講し、プログラムの体系化を図る予定です。また、取組の期間終了後も開講した科目は継続していきたいと考えています。

この事業に採択されたことで、新たにどのようなことができるようになりますか。
 在宅がん医療・緩和ケアの実務家である教員を3大学に配置することで、大学内及び大学間における実行性のある連携教育を展開するための体制基盤ができました。

取組の中には、各大学等でこれまで行っていた活動のレベルアップを図るものもあると思いますが、それはどのようなものですか。
 既に確立している在宅チーム医療に関する薬学と看護学の統合教育体制を基に、医学や歯学等の教育者を加えた協働教育体制の充実を図ります。毎年三百人程度の連携校の学生が「多職種協働による在宅がん医療・緩和ケア」について、各分野の専門家から直接指導を受けることができます。

連携の成果はどのような形で社会に示すことができるのでしょうか。
具体的な成果指標のイメージはありますか。
 学生は多職種協働の必要性を認識し、自らの専門分野とは異なる分野のケアに関する基礎力、応用力、実践力を身につけ、在宅がん患者の療養支援ができる専門性を修得できます。これは学習アウトカムの達成度をもって確認します。地域の在宅医療機関や福祉施設で広く活躍するよう全力で取組を進めてまいります。

協定書
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ステークホルダーからのメッセージ
 長崎県では、県総合計画に掲げる基本理念「人が輝く、産業が輝く、地域が輝く長崎県づくり」の実現に向け、「医療をみんなで支える体制づくり」を図ることとしており、その主要事業の一つとして、がん対策の推進や在宅医療の推進に取り組んでいます。
 医療・介護サービスの軸足が「施設から地域」に移ろうとしている中、多職種協働による在宅がん医療・緩和ケアを担う専門人材育成の拠点づくりを目指す、3大学による本取組は大変意義深いものです。
 この取組が、専門職の育成や、関係職能団体の連携強化につながり、本県のがん対策や在宅医療が一層推進することを期待しています。
  長崎県知事
中村法道